「ちゃんと説明したつもりなのに、相手に伝わっていない」「話が長いと言われる」——そんな悩みは、話す内容だけでなく、情報を届ける順番や量に原因があるかもしれません。
伝わりやすい説明には、いくつかの共通点があります。この記事では、画像で紹介されている『伝え方の教科書』の内容を参考に、日常会話や仕事で使いやすい形に整理します。
伝わる話し方に必要な6つのポイント
相手に理解してもらうために意識したいのは、次の6点です。
- 話す順序を整える
- 結論に至った背景を伝える
- 相手が覚えられる量に絞る
- 主語・述語や5W1Hを意識する
- 関係のない言葉を省く
- 相手と同じ立場に立って考える
どれも難しいテクニックではありません。話す前に少し整理するだけで、説明のわかりやすさは大きく変わります。
1. 話す順序を「概要から詳細」に整える
いきなり細かい情報から話すと、相手は「結局、何の話なのか」をつかめません。まず全体像を示し、その後に理由や具体例を加えるのが基本です。
使いやすい基本の順番
テーマ・結論 → 理由 → 具体例 → もう一度結論という順番で組み立てます。
たとえば、会議の日程変更を伝えるなら、次のようになります。
「明日の会議は、午後3時に変更になりました。参加者の予定を調整する必要があるためです。会議室は同じで、終了時刻も変わりません。明日は午後3時に集合してください。」
最初に結論を伝えているため、相手は重要な情報を早い段階で理解できます。
報告やプレゼンだけでなく、質問や雑談まで含めて話の組み立て方を学びたい方は、できる人の話し方6つのコツも参考にしてください。要点を届ける構成と会話での実践方法を紹介しています。
2. 結論の背景を伝える
結論だけを伝えると、相手が納得できなかったり、意図を誤解したりすることがあります。相手がその前提を知らない場合は、「なぜそうなったのか」という背景も補足しましょう。
たとえば「この案で進めます」だけでは、判断の根拠がわかりません。「予算内に収まり、納期にも間に合うため、この案で進めます」と伝えれば、結論を受け入れやすくなります。
ただし、背景をすべて説明する必要はありません。相手が判断や行動に必要とする範囲に絞ることが大切です。
3. 相手が記憶できる量に収める
正確に伝えようとして情報を詰め込みすぎると、かえって重要な点が埋もれてしまいます。説明の前に、「相手に何を覚えておいてほしいのか」を一つか二つに絞りましょう。
情報を減らすための質問
- 相手が今日知る必要がある情報は何か
- 相手に取ってほしい行動は何か
- 省いても判断に影響しない情報は何か
細かい経緯や例外まで話す必要がある場合は、最初からすべて説明せず、「詳しい内容もありますが、まず重要なのはこの2点です」と区切ると、聞き手が整理しやすくなります。
4. 伝わる日本語を使う
わかりやすい文章や会話では、主語と述語の関係が明確です。また、5W1Hを意識すると、情報の抜け漏れを防げます。
- When:いつ
- Where:どこで
- Who:誰が
- What:何を
- Why:なぜ
- How:どのように
たとえば「資料を確認してください」だけでは、いつまでに、どの資料を、どのように確認するのかが不明です。「今日の17時までに、共有フォルダの企画書を確認し、修正点があればコメントしてください」とすれば、相手の行動が具体的になります。
5. 関係のない言葉を省く
話の本筋と関係のない前置きや、同じ内容の繰り返しが多いと、結論がぼやけます。伝えたいことを決めたら、それに直接関係しない言葉は思い切って削りましょう。
「いろいろ考えたのですが、以前から気になっていて、周囲の意見も聞いたところ……」と話し始めるより、「改善のために、作業手順を一部変更したいです」と先に結論を示すほうが伝わります。
もちろん、相手との関係づくりに必要な雑談まで不要という意味ではありません。目的が「要件を正確に伝えること」なら、要件に関係する言葉を優先するという考え方です。
6. 相手と同じ立場に立つ
自分にとっては当たり前の知識でも、相手にとっては初めて聞く情報かもしれません。相手の経験や関心、理解にかけられる時間を考えることで、説明の仕方を調整できます。
相手目線で考えるチェック項目
- 相手はこの話の前提を知っているか
- 専門用語を使っても理解できるか
- 相手が知りたいのは結論か、詳しい理由か
- どの程度の説明なら無理なく理解できるか
同じ内容でも、上司には結論と判断材料を簡潔に、初めて担当する人には背景と手順を丁寧に伝えるなど、相手に合わせて順番や詳しさを変えることができます。
相手の話を聞き、根拠を示しながら信頼につながる伝え方を身につけたい場合は、頭のいい人に学ぶ信頼される伝え方の7つの習慣で、双方向のコミュニケーションも確認できます。
今日から使える伝え方の実践手順
説明を始める前に、次の手順でメモを作ってみましょう。
- 結論を一文で書く:相手に最も伝えたいことを決めます。
- 理由を一つか二つに絞る:結論を支える背景だけを残します。
- 相手の行動を明確にする:いつ、何をしてほしいのかを整理します。
- 不要な情報を削る:なくても理解や判断ができる部分を省きます。
- 相手に合わせて言い換える:専門用語や説明の詳しさを調整します。
この手順を使うと、「何から話せばいいかわからない」という状態から抜け出しやすくなります。
まとめ:伝える力は、相手を知ることから始まる
わかりやすい伝え方は、話術だけで決まるものではありません。話す順番を整え、結論の背景を補足し、情報を詰め込みすぎないことが基本です。さらに、5W1Hや明確な主語・述語を意識し、相手の知識や状況に合わせて説明します。
今回の内容は、木暮太一さんの著書『伝え方の教科書』で紹介されている考え方を参考にしています。記事では、その内容を日常で実践しやすいように整理しました。まずは次に誰かへ説明するとき、「結論は何か」「相手に何をしてほしいか」の2点をメモしてから話してみてください。
参考書籍
木暮太一『伝え方の教科書』WAVE出版。画像で確認できる書誌情報をもとに記載しています。ISBNは画像から確認できないため掲載していません。
参考にした書籍
- 『伝え方の教科書』(木暮太一)
書籍の内容を参考にしつつ、本文は読者向けに要約・再構成しています。
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